「よりオープンである」ことを目指して

2015年7月7日、埼玉県は「県の広報情報をオープンデータとして民間企業へ提供開始!」という発表を行いました。しかしそのわずか2日後の7月9日、実際にデータを利用するために必要な利用申請書や利用規約が掲載されたサイトは閉鎖され、申し込みができない状態となりました。


オープンデータに関わる多くのコミュニティでは、「埼玉県のデータはオープンデータではない」という投稿が相次ぎ、厳しい意見が多数寄せられました。私も2012年からオープンデータの推進に関わってきましたので、埼玉県の提示した利用規約がいわゆる「オープンデータの定義」を満たしていないことは理解できます。「オープンバイデフォルト」の原則で、「オープンデータの定義」を遵守し、「5つ星オープンデータ」で公開することが理想的であることに異論はありません。


しかし、一度冷静になって考えてもらいたいのですが、埼玉県は「データを公開する」という観点から見て、後退したのでしょうか、それとも、前進したのでしょうか。広報情報を利用するための制約は強化されたのでしょうか、緩和されたのでしょうか。


実際に自治体がデータを公開するためには、原理・原則だけでは乗り越えられない問題が現場にはたくさんあります。オープンデータを推進したい情報政策課と、オープンデータについて何の関心もない広報課という関係は珍しいことではありません。自治体としてオープンデータを推進していたとしても、現場レベルではほとんど理解されていません。


こうした環境のなか、埼玉県のように、自治体職員が工夫をして少しでもデータ公開に向けて前進させようという取り組みを私は全面的に支持します。データ公開に関して多くの課題を抱える自治体の現場で、なんとかして前に進めようとする人々の勇気や努力に対して、素直に敬意を表します。

 

オープンデータであることよりも、オープンであることの方が重要です。そして理想的な状態に近づくために、よりオープンになることを目指し、これからも共に活動していきたいと思います。

 

(東 富彦)

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コメント: 1
  • #1

    清水正行 (金曜日, 10 7月 2015 19:01)

    はじめまして。清水と申します。
    「埼玉県の「オープンデータ」がいろんな意味で凄い!」という記事を書いた者です。
    ご指摘いただいた意見について、私なりの返答を書きました。
    お時間のある時にでもご一読いただければ幸いです。

    http://shimz.me/blog/other/4379

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