英行政特別委員会、供給業者に対して政府と同じオープンデータ原則の採用を求める

PASCのレポート
PASCのレポート

2014年3月17日、英国下院の行政特別委員会(Public Administration Select Committee, PASC)は、"Statictics and Open Data: Harvesting unused knowledge, empowering citizens and improving public services"という新しいレポートを発表しました。

 

このレポートのp-11、"Outsorcing and transparency"においてPASCは、公共サービスを提供しているすべての組織は、公共サービス調達部門と同一のオープンデータ原則に従ってすべてのデータを公開すべきであるとしています。組織の中には民間セクターやボランタリーセクターも含まれます。情報コミッショナー(Information Commissioner)のクリストファー・グラハムは「アウトソーシングが公的サービスの透明性を損なうことのないようにすることが重要である」と指摘しています。

 

Open Knowledge Foundationのルーファス・ポロックは「米英で起きている最も危険で憂慮すべきことの1つは、アウトソーシングすることですべての情報が失われてしまうことだ」と述べ、mySocietyのトム・スタインバーグもアウトソーシングに対して「民間企業が政府に代わって公的サービスを提供している状況では、公的機関の説明責任が果たせなくなる危険がある」と問題点を指摘しています。

 

Open Data Instiuteは、公的サービスプロバイダーに関するデータが一貫した方法で公開されれば、選択肢が増し、競争がより激しくなるとPASCの提言を歓迎しています。情報コミッショナーのグラハムは、「民間企業のデータが公開されれば公的資金をもっと有効に活用できるようになり、アウトソーシングに対する信頼も強まる」と、民間企業の業績などに関する詳細データを公開することについてすでに支持を表明しています。

 

さらにPASCは、アウトソーシングに関するオープンデータ規定は世界標準の契約条項として盛り込まれるべきであり、2015-2016の会計年度から政府全体に導入し徹底すべきであると提言しています。英国では、政府と同じレベルのオープンデータ原則を採用し、自らデータを公開しない企業は、政府調達に参加することができなくなる日がすぐそこに迫っています。

 

(東 富彦)

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